本賞は、従来の増谷賞、春木賞としてお寄せ頂いた基金をもとに、それぞれ功労、功績の認められた方々への顕彰事業を行って来たが、その趣旨を尊重継承し、ご遺族及び関係の方々にご承諾いただき「栄誉賞」として統合、2008年に制定された。
増谷賞とは、当協会名誉会員・増谷 麟 氏(元・ソニーPCL)が1967年に没せられた後、ご遺族から寄金をうけた協会が、故人ゆかりの各界有志よりの寄金と合わせ1968年に制定された、功労賞の性格をもつ賞。
春木賞とは、当協会名誉会員・春木 栄 氏(元・富士写真フイルム)より1979年に協会会員の功績に対する表彰制度の一助にと寄せられた基金をもとに、79年度より春木 栄 氏のご厚志を伝えるべく制定された、功績賞の性格をもつ賞。
対象となるのは、業務に30年以上精励し後進の範となる明らかな業績を残した者、若しくは映画・テレビ技術に関する画期的な発明、発見、改良等によりその進歩発展に功績のあった者。および本協会の活動や業界の発展に功労のあった者。
第3回 (2010年度) 受賞者
軽部 進 氏
1941年生。1959年日活株式会社撮影所製作部技術課入社。映画撮影に効果を付け加える撮影効果係として移動撮影や俯瞰撮影におけるドーリーやクレーンなどの操作に携わり、多年の経験を積み、機材の改良、開発に務めてこられた。また風や、雨、雪などのシーンに用いる機材の操作にも関わり、工夫改良を続け、映画の細部をつかさどる技術力でその表現を支えて来られた。1980年株式会社エヌケイ特機の創設に関わり、森田芳光監督「家族ゲーム」('83年)、伊丹十三監督「お葬式」('84年)、北野武監督「ソナチネ」('93年)、平山秀幸監督「学校の怪談」('95年)、本広克行監督「踊る大捜査線 THE MOVIE」('98年)など、数々の映画でその技術力を示し、顕著な業績を挙げて来られた。撮影、照明、美術と言う分野の他に「特機」という分野をゼロから作り上げ、確立させた功績は大である。
1991年より2009年まで、株式会社エヌケイ特機・代表取締役社長を務められ、2010年取締役会長に就任。2011年株式会社ケーアンドエルとの合併を経た新会社、株式会社NKL・取締役会長に就任。平成15年(2003年)度第1回文化庁映画賞にて、撮影効果・特機分野で映画功労賞を受賞。
特機の若手育成および、本協会の運営、活動に尽力されている。映画のみならず、日本映像業界全般に大きく貢献されている業績は高く評価できる。よって本賞に値するものである。
≪受賞一覧≫
第3回 (2010年度)
軽部 進 (株式会社NKL 取締役会長)
第2回 (2009年度)
森田 富士郎 〈撮影監督〉
第1回 (2008年度)
木村 威夫 (日活芸術学院学院長)〈美術監督〉
()内は受賞時の所属。会社名は現社名。〈〉内は専門技術。敬称は省略させて頂きました。


