優秀制作技術賞(柴田賞・鈴木賞)受賞一覧

本賞は、従来の柴田賞、鈴木賞としてお寄せ頂いた基金をもとに、他の模範になり得る業績を示した方々への顕彰事業として行って来たが、その趣旨を尊重継承し、ご遺族及び関係の方々にご承諾いただき「優秀制作技術賞」として統合、2017年に制定された。

柴田賞とは、後進の育成にも力を尽くされた故柴田氏のお気持ちを汲み、いわば新人賞としての性格をもち、各分野の若い技術者の奮起を促しているものである。
 鈴木賞とは、科学映画の撮影に多大な功績をあげられた当協会名誉会員・故鈴木喜代治氏に因み、科学映像の撮影技術者を対象としたものである。

対象となるのは、映画、テレビ、科学映像、イベント・プロモーションの映像制作の諸技術に従事している技術者で、他の模範になり得る業績をあげた者で、その職種に携わっておおむね10年までの個人とする。

 

第47回(2017年度)優秀制作技術賞受賞者

大和谷 豪 氏(日本放送協会 放送技術局 制作技術センター 番組制作技術)

1976年生。2001年にNHK入局。情報番組のスタジオ制作 及びVロケにて、番組制作の撮影基礎を学び、更に照明としても大河ドラマや連続テレビ小説等で、ドラマ制作の基本となるライティング技術を学んだ。その後、数々の先輩カメラマンに従事し『芝居をドキュメンタリーとして捉える』独特のドラマ撮影方法を習得する。終戦特集ドラマ『15歳の志願兵』では文化庁芸術祭優秀賞・ギャラクシー賞選奨を受賞。
2012年、大河ドラマ『八重の桜』では最年少で撮影チーフを担当する。来る4K、8K時代を見据え、NHK大河ドラマとして初の『ラージサイズフォーマット・カメラ』を採用。それまでの大河ドラマ制作の常識を打ち破り、革新的な映像作りを行った。
またキャメラ・バランスシステム(ステディカム)オペレーターとしても高い技術力を保持しており、同システムを使った2016年『未解決事件file.05・ロッキード事件』で文化庁芸術祭奨励賞・文化庁芸術祭参加・ギャラクシー賞テレビ部奨励賞・ギャラクシー賞月間賞・ギャラクシーマイベストTV賞を受賞。2018年『8Kドラマ スニッファー嗅覚捜査官スペシャル』では、その撮影の5割~6割を同システムにて行った。
現在は4K・8K制作ドラマの「先駆者」として、撮影及びアドバイザー役となり、NHKドラマの牽引役を担い、後輩カメラマン達へ大きな影響を与えた。その実績は本賞に値する。

 

柴田 幹太 氏(株式会社IMAGICAウェスト 映像事業部)

1978年生。2008年に(株)IMAGICAウェストに入社。基礎的な映画フィルムの現像や焼き付け技術を習得し、古い映画フィルムの修復の経験を積み、これまでに数多くの劇映画や文化記録映画の復元に携わる。また海外のフィルムアーカイブからの着色フィルムの復元も手がける。
2017年には東京国立近代美術館フィルムセンターからの依頼により、1920年代に一時的に使用された特殊フォーマットである17.5mmや22mmフィルム、特殊なフィルターを使用して白黒フィルムにカラー映像を記録するコダカラーフィルム等の復元に、テクニカルコーディネーターとして参加し復元に成功した。このような特殊フォーマットからのフィルムの複製技術は、映画保存技術における画期的な基盤づくりとなった。 また大学での特別講師を務め、学生に対して映画復元の魅力を伝える活動や、「映画の復元と保存に関するワークショップ」の運営に携わる他、海外の映画祭で復元に関する座談会に参加するなど幅広く活躍している。
学会では、「フィルムマップの作成と活用-可燃性白黒フィルムを中心に-」(2014年日本写真学会)、「ポリエステルベースフィルムのエマルジョンに記録された画像に対する酢酸の影響」(2016年画像関連学会連合会)の研究発表を行った。
これまでの活動は、フィルム従事者として模範となるものであり、その実績は本賞に値する。