柴田賞 受賞一覧

故柴田良隆氏は、大正初期から斯界に入り、帝国キネマ、アグファ合名などを経て、1926年長瀬商店、現在の長瀬産業(株)に入社、32年極東現像所、東洋現像所(現・IMAGICA)の設立に参画、35年同社取締役、47年常務取締役、63年専務、72年同社顧問、73年相談役となられている。この間長年の映画産業発展につくされた功績により、60年に紺綬褒賞、67年の黄綬褒賞を受けられ、67年には本協会名誉会員に推薦された。76年7月、89歳で逝去されたが、生前の1971年、本協会に基金をおよせになり、柴田賞が生まれた。
 柴田賞は、後進の育成にも力をいたされた故柴田氏のお気持ちを汲み、いわば新人賞としての性格をもち、各分野の若い技術者の奮起を促しているものである。

対象となるのは、映画、テレビの制作に関する諸技術に従事し、その職種に携わっておおむね10年までの技術者で、他の模範になり得る業績を示した方、または著しい業績のあった方で、新人賞としての性格を持つ。

 

第46回(2016年度) 柴田賞受賞者

望月 英邦 氏

日本放送協会 放送技術局制作技術センター 番組制作技術部 撮影
1971年生。1994年NHKに入局。京都放送局にてNHKスペシャルなどのロケ番組及び中継番組を担当。2009年、特集ドラマ「お買い物」で映像技術賞奨励賞、ソウルドラマ賞、短編ドラマ部門優秀賞、国際ドラマフェスティバル優秀賞、第35回放送文化基金賞優秀賞、第46回ギャラクシー賞優秀賞など数々の賞を受賞した。
2007年には、朝の連続テレビ小説「どんと晴れ」、2010年土曜時代劇「咲くやこの花」2011年「塚原卜伝」、2012年土曜ドラマ「あっこと僕らが生きた夏」、2013年「七つの会議」、2014年、大河ドラマ「軍師官兵衛」、2015年「破裂」、最近では2016年朝の連続テレビ小説「とと姉ちゃん」を担当。卓越した撮影技術力で視聴者に受け入れやすい映像を組み立て、番組の成功に貢献した。
現在はドラマ撮影チーフやTDとして数多くの作品に携わると共に、ドラマ制作技術全体の制作力の底上げや人材育成・継承を常に考えた言動で、優れたコーディネーション力とマネジメント力を発揮している。自己犠牲もいとわない精神と責任感をもつ人物として、本賞に値するものである。

 

樋口 耕平 氏

関西テレビ放送株式会社 報道局報道映像部
1975年生。1997年関西テレビ放送㈱に入社。2005年、2006年の2度にわたり内戦後の混乱が続くコンゴ民主共和国(旧・ザイール)の密林にて、絶滅が危惧される類人猿ボノボの撮影を敢行。その知られざる生態や激しい内戦がボノボに与えた影響を捉えた。本作品『類人猿ボノボの棲む森で』はヒューストン国際映画祭で「金賞(ネイチャー&ワイルドライフ部門)」を受賞した。
2009年から1年をかけて撮影したドキュメンタリー『淀川2009-2010~知られざる生命の営み~』は自ら企画しディレクターも務め、日本映画テレビ技術協会「映像技術奨励賞」を受賞。2010年撮影『左下半身まひの主婦 マラソン挑戦支えた家族』ではABU(アジア太平洋放送連合)賞「最優秀賞(テレビニュース部門)」、2013年に撮影した『76歳! 現役の小学校校舎』で日本映画テレビ技術協会「映像技術賞」、2015年撮影の4Kドキュメンタリー『京の摺師~パリに渡った浮世絵~』では、ABU賞「審査員賞(ドキュメンタリー部門)」を受賞した。2016年には3人の女性アスリートのひたむきな姿を描いた『3人のヤマトナデシコ~ただ勝利のためでなく~』を4K、HDRで制作。自ら企画、ディレクター、撮影を担当し、日本映画撮影監督協会「JSC賞」、アジアテレビ賞「最優秀賞(スポーツ番組部門)」を受賞した。
シネマ機から民生機まで柔軟に使いこなし多彩な映像を生む映像センスと4Kや8K、HDRなど新しい技術や表現に積極的に取り組む姿勢、これまで数々の撮影賞を獲得した実績は本賞に値する。

≪受賞一覧≫

  • 第46回(2016年度) 望月英邦 (NHK・撮影)、樋口耕平(関西テレビ放送・撮影)
  • 第45回(2015年度) 石原徹也 (日本放送協会 名古屋放送局技術部)
  • 第44回(2014年度) 上泉美雄 (NHKメディアテクノロジー・撮影)、益森利博(IMAGICAウェスト)
  • 第43回(2013年度) 相馬和典 (NHKメディアテクノロジー・撮影)、松尾好洋(IMAGICAウェスト)
  • 第42回(2012年度) 野原恒典 (NHK・音声)
  • 第41回(2011年度) 杉江亮彦 (NHK・撮影)
  • 第40回(2010年度) 高橋 僚 (NHKメディアテクノロジー・撮影)、佐々木 達之介(NHK・撮影)
  • 第39回(2009年度) 沖村志宏 (日活・撮影)、堀内一路 (NHK・撮影)
  • 第38回(2008年度) 岡田 裕 (NHK・撮影)、木川 豊 (NHK・VE)
  • 第37回(2007年度) 日昔吉邦 (NHKメディアテクノロジー・撮影)
  • 第36回(2006年度) 溜 昭浩 (NHK・撮影)、渡邊雅己 (NHK・撮影)
  • 第35回(2005年度) 清水昇一郎 (NHK・撮影)、竹内秀一 (NHK・撮影)
  • 第34回(2004年度) 國清大介 (NHK・撮影)、嶋岡智子 (NHK・音響制作)、蔦井孝洋 (フリー・撮影)
  • 第33回(2003年度) 井上 哲 (テレビ朝日映像)、釣木沢 淳 (NHK・映像制作システム)、藤田浩久 (NTS・撮影)
  • 第32回(2002年度) 井関 修 (IMAGICA)、小笠原洋一 (NHK・撮影)、大木豊男 (NHK・照明)
  • 第31回(2001年度) 桜井勝之 (NHK・撮影)、秋田正二 (NHK・音声)、三島也守志 (IMAGICA)
  • 第30回(2000年度) 井上充夫 (IMAGICA)、小野さおり (NHK・音声)、澤村かおり (共映・撮影)、菱木幸司 (NHK・撮影)
  • 第29回(1999年度) 服部康夫 (NHK・撮影)、藤野和也 (NHK・技術)
  • 第28回(1998年度) 岡本幹彦 (NHK・音声)、川邨 亮 (NHK・撮影)、佐野清隆 (NHK・照明)
  • 第27回(1997年度) 亀川 徹 (NHK・音声)、板倉幸次 (NHK・技術)
  • 第26回(1996年度) 吉川里士 (NHK・音声)、熊谷正志 (NHK・技術)
  • 第25回(1995年度) 井上 衛 (NHK・撮影)、岩渕 弘 (フリー・撮影)、小椋俊一 (IMAGICA・タイミング)
  • 第24回(1994年度) 岸田和美 (大船撮影所・録音)、熊田典明 (NHK・撮影)、土屋裕重 (NHK・撮影)、徳永徹三 (IMAGICA・特撮)
  • 第23回(1993年度) 郷田雅男 (NHK・撮影)、小林達比古 (フリー・撮影)、村上松隆 (電通テック・撮影)
  • 第22回(1992年度) 川島章正 (フリー・編集)、小林 治 (英映画社・撮影)、田島正晴 (岩波映画製作所・撮影)、藤井芳保 (NHK・音声)
  • 第21回(1991年度) 飯酒盃真司 (NHK・照明)、伊藤昭裕 (フリー・撮影)、佐々木原保志 (フリー・撮影)、吉村 浩 (IMAGICA・CG)
  • 第20回(1990年度) 伊藤孝雄 (NHK・撮影)、濱崎公男 (NHK・音声)、吉村 隆 (電通テック・撮影)
  • 第19回(1989年度) 高間賢治 (フリー・撮影)、田中敬子 (共映・撮影)、横川清司 (NHK・撮影)
  • 第18回(1988年度) 高橋慎二 (フリー・撮影)、中堀正夫 (フリー・撮影)
  • 第17回(1987年度) 大岡新一 (フリー・撮影)、川崎純寿 (ニューソフトプロダクション・撮影)、吉岡慎悟 (NHK・撮影)
  • 第16回(1986年度) 石塚 徹 (NHK・音声)、高原幸廣 (東洋シネマ・撮影)、羽里 章 (NHK・撮影)
  • 第15回(1985年度) 鈴木秀夫 (NHK・撮影)、中野英世 (NHK・撮影)
  • 第14回(1984年度) 河口洋一郎 (日本電子専門学校・CG)、小高文夫 (NHK・撮影)、高橋和久 (松竹・録音)
  • 第13回(1983年度) 上原士郎 (NHK・撮影)、曽我部宣明 (NHK・技術)
  • 第12回(1982年度) 藤本宏三 (NHK・撮影)、村上匡廣 (NHK・撮影)、八幡洋一 (岩波映画製作所・撮影)
  • 第11回(1981年度) 楠 章治 (東宝・機材)、鈴木 弘 (NHK・撮影)、寺島義博 (電通テック・撮影)、林 迪彦 (東京放送・技術)
  • 第10回(1980年度) 熱海鋼一 (編集)、大洞陽佑 (岩波映画製作所・撮影)、金子貞夫 (テレビ朝日・技術)、川上 皓市 (フリー・撮影)
  • 第9回(1979年度) 上原康雄 (NHK・映像技術)、斎藤秀夫 (NHK・撮影)
  • 第8回(1978年度) 斎藤員功 (中京テレビ放送)、吉田秀夫 (NHK・撮影)
  • 第7回(1977年度) 中島 徹 (東映・撮影)、村野信明 (三船プロ・撮影)
  • 第6回(1976年度) 北口誠之 (NHK・撮影)、影山雅英 (日本テレビ・撮影)
  • 第5回(1975年度) 阪本善尚 (フリー・撮影)、藤原三郎 (松竹京都映画・撮影)、長谷川高久 (アイカム・撮影)
  • 第4回(1974年度) 柴田定則 (NHK・撮影)、江口 正 (NHK・撮影)、中谷英雄 (岩波映画製作所・撮影)
  • 第3回(1973年度) 河野祐一 (NHK・撮影)、八木正次郎 (学研・撮影)、杉崎 喬 (録音)
  • 第2回(1972年度) 石原 興 (撮影)、宮本哲央・鈴木孝男・田中邦彦・浅野 清 (NHK・アニメーション)、並木 豊 (NHK・撮影)
  • 第1回(1971年度) 松原武司 (NHK・撮影)、安松正雄 (TCJ・撮影)

()内は受賞時の所属および専門技術。会社名は現社名。敬称は省略させて頂きました。