Leq(m) 測定方法

第1章 測定器の種類

Leq(m)を測定する機器としては、現在下記の二つの測定器があります。

Dolby Model 737
Soundtrack Loudness Meter

Dolby Model 737 正面写真

DK-AUDIO
MSD Audio Metering

DK-AUDIO MSD Audio Metering 正面写真

この二種類の測定器はLeq(m)の測定に関しては同等の性能を有していますが、Dolby Model 737ではLeq(m)の表示が整数(小数点以下は表示されない)なのに対して、DK-AUDIO MSD Audio Meteringでは小数点以下1桁まで表示されます。
ここでは使う機会が多いと思われるDolby Model 737について説明します。

第2章 測定器(Dolby Model 737)のセットアップ

Dolby Model 737 調整個所

1.ダビングステージ

  • ■ Dolby Digitalの調整方法
  • (1) "Cal"スイッチを押して、スイッチのランプが点灯している状態にする。
  • (2) 音声卓のモニターパッチ(モニターボリュウムの手前)の"Left"出力からDolby Model 737の"Left"入力に接続し、1kHz,0VUの信号を入れて上の図の白枠で囲んだトリマーを調整し、Leq(m)表示器が"85"を示し、"-","+"のLEDが両方同時に点灯するようにする。
  • (3) "Center","Right"についても上記と同じ調整をする。
  • (4) 音声卓のモニターパッチ(モニターボリュウムの手前)の"Left Surround"出力からDolby Model 737の"Left Surround"入力に接続し、1kHz,0VUの信号を入れて白枠で囲んだトリマーを調整し、Leq(m)表示器が"82"を示し、"-","+"のLEDが両方同時に点灯するようにする。
  • (5) "Right Surround"についても上記と同じ調整をする。
  • (6) 音声卓のモニターパッチ(モニターボリュウムの手前)の"Subwoofer"出力からDolby Model 737の"Subwoofer"入力に接続し、100Hz,0VUの信号を入れて上の図の白枠で囲んだトリマーを調整し、Leq(m)表示器が"85"を示し、"-","+"のLEDが両方同時に点灯するようにする。
  • 各チャンネルの調整時には、その調整するチャンネルにだけ信号を入れて単独で調整してください。また、調整の順序は異なっても構いません。
Dolby Digital 設置図
チャンネル L C R Ls Rs Sw
レベル(Leq(m)) 85 85 85 82 82 85
  • ■ Dolby SRの調整方法(マトリックス・デコード済信号の測定)
  • 上記のDolby Digital用の調整ができており、DS4またはSDU4が正しく設置され、かつ以下の二つの条件を満たせばそのまのセッティングで測定できます。
    • (1) SDU4は3dBゲインを稼ぐ様に調整する。(SDU4に内蔵のピンクノイズを発生した時に、モニターレベルが88dBになる様に調整する)
    • (2) DS4またはSDU4のSurround出力が、音声卓のモニター出力の"Left Surround"と"Right Surround"に分岐して出力されている事。
Dolby SR 設置図
チャンネル L C R Ls Rs
レベル(Leq(m)) 85 85 85 82 82
  • 音声卓にSurround出力が1系統しかない場合には、モニターパッチの"Surround" 出力からDolby Model 737の"Left Surround"入力へ接続します。モニターパッチの"Left"、"Center"、"Right"出力は、それぞれDolby Model 737の"Left"、"Center"、"Right"入力に接続します。調整は各チャンネル単独に、1kHz,0VUの信号を入れて白枠で囲んだトリマーを調整し、Leq(m)表示器が"85"を示し、"-","+"のLEDが両方同時点灯するようにします。
Dolby SR 設置図
チャンネル L C R S
レベル(Leq(m)) 85 85 85 85

2.光学録音所

  • ■ Dolby Digitalの調整方法
  • このケースはDS10で作成されたMOディスクを持ち込まれた場合に該当します。
    CA106トラック・モニター・アウトプットからDolby Model 737の各入力に接続します。
    CA10MOディスクを再生し、その中に記録してある信号で上記のダビングステージにおける「Dolby Digitalの調整方法」と同様に各チャンネル単独で調整して下さい。
チャンネル L C R Ls Rs Sw
レベル(Leq(m)) 85 85 85 82 82 85
  • ■ Dolby SRの調整方法(マトリックス・エンコード済信号 "Lt","Rt" の測定)
  • 光学録音機のモニター出力で測定します。
    但し、この出力信号はDolby SRノイズリダクションシステムでエンコードされた信号なので、必ずDolby 363等の機器でデコードし、"Lch"のモニター出力はDolby Model 737の"Ch 1-Lt (Left)"入力に、"Rch"は同じく"Ch 3-Rt(Right)"入力に接続します。
    そして、各々のチャンネルを単独で測定して、1kHz 50%変調の時にLeq(m)表示器が"88"を示す様に調整します。
    しかし、88 Leq(m)の時には、"-","+"のLEDが動作せず、正確な調整ができませんので、実際には光学録音機のモニター出力を予め3dB絞っておき、Leq(m)表示器が"85"を示し、"-","+"のLEDが両方同時に点灯するように調整してから、光学録音機のモニター出力を元に戻します。
光学録音機 設置図
チャンネル Lt Rt
レベル(Leq(m)) 88 88

第3章 測定方法

Dolby Model 737
  • 1.画の頭で"スタート"スイッチを押す
  • 2.画の終わりで"ストップ"スイッチを押す
  • 3.Leq(m)表示器に現れた数字がその作品のLeq(m)の値

以上の手順で簡単に測定できます。

スイッチを押すタイミングで誤差が生じますが、Dolby Model 737の取扱説明書によると2分30秒の作品で2秒以内、10秒の作品では2フレーム以内に押すと誤差は生じないそうです。
実際に120秒と30秒の予告篇で精度を調べてみましたので、その結果を以下に記します。

この表は120秒と30秒の予告篇が終わった後、無音状態で引続き測定した結果を表したものです。 120秒の場合は+30秒、30秒の場合は+20秒程度ならそれ程大きな変化が無いのが分かります。
逆に言うと、Leq(m)の値を下げる目的でお尻に無音の部分を作るとしたら、相当長い時間作る必要があるという事になります。

予告篇の時間 無音部分の時間
120秒 +10秒 +20秒 +30秒 +60秒 +80秒
90 89 89 89 88 86
30秒 +10秒 +20秒 +30秒  
91 89 89 88 単位はLeq(m)