MPTE第11回勉強会(アニメーション部会主催)「『かぐや姫の物語』のビジュアル構成」のご報告

日 時:2014年8月26日(火) 15:00~18:00
会 場:専門学校東京ネットウエイブ大教室
参加者:90名
 費:無料
 催:NPO法人日本ビデオコミュニケーション協会


講 師
 西村義明氏(㈱スタジオジブリ プロデューサー)
 中村圭介氏(㈲高橋プロダクション/T2studio撮影監督)

 

高畑勲監督作品、(株)スタジオジブリ制作、2013年11月23日全国劇場公開され多くのアニメーションファンを魅了した長編アニメーション作品「かぐや姫の物語」におけるビジュアル構成に関する研究会をMPTE第11回勉強会として開催致しました。
本作品は制作期間として8年余りを掛けて、従来から制作・公開されている多くのアニメーション映画とは一線を画し、まるで毛筆で描いたような独特で軽やかなキャラクターのタッチと淡く美しい水彩画の背景美術を長編商業アニメーション映画に用いた、大変独創的な作品です。通常のアニメーションのようにクッキリとしたキャラクター輪郭線の描画や、ハッキリとした彩色の背景美術の場合、アニメーションのデジタル制作においては既に技法が確立されていますが、本作品のようにキャラクターの輪郭線が途切れていて毛筆のようなタッチを生かす描画技法や、微妙な階調のある淡い水彩画の背景美術の表現については、長編アニメーションのデジタル制作において従来は技術的に、またスケジュール等の制作体制的に非常に困難であると考えられてきました。
勉強会では、そういった描画技法により制作された本作品における技術的取組と、多くの困難な技術的課題を乗り越えた制作現場の取組についてご講演頂きました。実際の制作において使用された本番シーンデータや画像データを用いて、実際の撮影(ファイナルコンポジット)で使用されたソフトAdobe AfterEffectsを稼働させながら、技術的な取組や、工夫し研究開発した点などを詳しく解説頂き、非常に興味深く充実した勉強会となりました。
参加者の皆様から大変ご好評を頂き、それは勉強会後に集計した参加アンケートにも表れています。講師の皆様、ご来場頂きました皆様、ありがとうございました。